カラダとリハビリ

理学療法士である管理人が「カラダ」と「リハビリ」について自由気ままに書いていくブログです。

スポンサードリンク

転倒問題は社会問題!?

日本は急速に高齢化が進んでおり、転倒による骨折が後を絶ちません。

在宅の現場でも転倒は非常に難しい問題であり、時に解決策がなかなか見いだせないことがよくあります。

厚生労働省は要支援として介護保険導入になる原因のうち、骨折・転倒は14.6%と発表しており、寝たきりの原因の多くも転倒や骨折と発表しています。

f:id:tanosho:20170404003347p:plain

そこで、転倒が起こる原因を理解するためにまとめました。

 ・転倒の危険因子

 転倒の危険因子は内的要因と外的要因がある。

 内的要因は本人の身体特性によるものである。

 年齢、転倒歴、基礎疾患、起立性低血圧、視覚、認知機能、下肢筋力、関節可動域、歩行能力、疼痛、意識レベル、薬剤

 外的因子は生活環境によるものである。

段差、床の性状、傾斜、障害物、履物、衣服、補助具、手すり、照明、風の強さ、地面の性状 

 投与されている薬の作用・副作用により転倒リスクが増大され、精神機能や運動機能を傷害することで転倒の危険因子となる。

 特に睡眠薬やインスリン、向精神薬抗うつ薬、利尿薬、便秘薬は転倒リスクを増大させる。

 

高齢者と転倒リスク

 高齢者の多くは身体機能の予備機能が低下しており、平穏時には目立った身体機能低下は見られにことが多いが、疾患を抱えることで著明に身体機能低下することがある。

 また、骨密度や反射反応の低下により、転倒時に骨折を起こすことが多く、その後の生活水準が低下する。

 

・転倒予防方法

 転倒予防を行うためには評価を適切に行う必要がある。

 支持基底面が広くても安定しないのか、狭くても安定するのか。

 重心の位置が高くても安定するのか、低くないと安定しないのか。

 補助具は適切に使えているのか。

 障害物に対して適切な配慮がなされているのか。

 前後左右に重心を動かした際に身体はどんな反応を示すのか。行き過ぎた場合にはどんな反応をするのか。

 そもそも骨のアライメントや筋発揮は適切にできているのか。

 患者自身が自分の病気のことを理解できており、どんな症状が起こる可能性があるか理解できているのか。

 

編集後記

 訪問リハビリをしていて「転倒予防を中心にお願いします。」とケアマネージャー様に頼まれることが多々あります。私の中では転倒予防=”動作方法を変える”ということを考えます。

 例えば繰り返し圧迫骨折をしている方は後方重心になることを嫌う傾向にあります。骨のアライメントでも前方重心になりやすい体型をなしており、ボディーイメージが正常の人と異なっているため前方重心が助長されていることが多々あります。しかし、寝返り方法や起き上がり方法、立ち上がり方法、歩行を順番に評価していくとその人がなんで前方重心なのかが見えてきます。その評価結果に沿ってひとつずつ修正していくことで転倒しにくい動き方に変えることができます。

 ネット上では悲しいことに週1回の訪問リハビリじゃ何にも変わらないし、ご利用者様も満足しないと煽る方もいらっしゃいます。病院の理学療法士に比べて地域の理学療法士はまだまだレベルが低いのかもしれません。

 私もまだまだ未熟ですが、訪問リハビリのレベル向上及び技術向上を図るために精進していかないといけないと感じました。

スポンサードリンク