小児の発達をまとめてみる
小児の発達は小児を担当する理学療法士しか関係ないものですが、地域の理学療法士でも小児を担当することが多々あります。
その中できちんと小児に関する知識を勉強しておく必要があります。
今回は小児の発達をまとめていきます。
小児の発達を考えるときは「運動発達」、「発達と反射」、「知的発達」の3つに分けて考えるのがわかりやすいと言われています。
☆運動発達
①運動発達の原則
小児の運動発達には方向性がある
・頭部から下方に向かって
・中心部から末梢へ向かって
頭部から下方へ向かってという点では、頭部の安定である「定頸」に始まり、腰部の安定に伴う「お座り」の獲得、下半身の安定に伴う「つかまり立ち」、「伝い歩き」、「歩行」へと発達していきます。
中心部から末梢へ向かってという点では、寝返りやお座りという全身的な運動からしだいに両手で持つ、片手で持つ、指先でつまむといった微細な運動発達へ進んでいきます。
また、運動発達は神経系の成熟と密接に繋がっており、平衡感覚や筋力の成熟に伴い運動も発達していきます。
☆運動発達について
乳児の運動発達のポイントは「定頸」、「寝返り」、「お座り」、「はいはい」、「掴まり立ち」、「歩行」です。
⑴定頸
腹臥位にしたときに上肢で支えながら頭部と肩を上げて、胸を床から離していられるようになった段階を頸が座ったといいます。頸が座らなければ座位やつかまり立ちといった垂直方向の運動発達の獲得が困難とされています。
5か月児の97%は頸が座っていることが多いため、5ヶ月を過ぎても頸が座っていない場合は運動発達の遅れが考えられます。
⑵寝返り
定頸と座位の獲得の間に寝返りを獲得する時期があります。寝返りができるようになるためには緊張性頸反射の出現が必要で、初期には緊張性頸反射を利用して寝返りますがやがて運動学習をして自由に寝返りするようになります。
6ヶ月児の97%は寝返りができることが多いと言われています。
⑶お座り
両手をつかないで1分間以上座っていられることをお座りの獲得と言います。お座りができるようになるころには倒れそうになった時に手を出して倒れることを防ぐ「パラシュート反応」が出現している必要があります。お座りは乳児の視野が平面的なものから立体的な視点になるということで脳の発達に重要な意味を持っています。
お座りは8ヶ月児の80%で、10ヶ月児の97%でお座りができると言われています。
本日はここまでです。
次回は「はいはい」から勉強していきます。