薬物療法の副作用とリハビリのリスク管理
理学療法中に問題となる薬物療法と副作用についてまとめました。
①抗癌剤
抗癌剤の薬剤治療、放射線治療を受けている対象者は白血球数が極端に減少しており、身体が怠く身体を動かすことがやっとである。モチベーションが低いわけではないので注意が必要。
②副腎皮質ステロイド剤
骨粗鬆症に注意し、運動療法や呼吸介助等で骨折させないように注意する。
③糖尿病治療薬
低血糖症状に注意する。低血糖症状に備えてベッドシュガーを準備する。
低血糖症状:空腹感、あくび、だるさ、冷や汗、頻脈、腹痛、痙攣、意識低下
④強心薬
徐脈に注意する。
⑤β遮断薬
徐脈、低血圧、不眠、抑うつに注意する。
運動強度の強い階段昇降を行うと突然死する場合があるのでバイタルサインを注意深く観察する。
⑥降圧剤
β遮断薬、Ca拮抗薬、自律神経遮断薬、交感神経遮断薬がある、血管拡張性降圧薬がある。
頭痛、めまい、呼吸困難、脱力、眠気、倦怠感に注意する。
⑦利尿剤
低カリウム血症による身体の怠さがある
⑧気管支拡張薬
心拍数が増加し、安静時に120回/分を超えることもあるため医師に確認する。
⑨睡眠薬
昼間に睡眠薬が残っている場合は転倒の可能性があるため医師に薬の量を調節してもらう。
⑩鎮痛薬
痛みに対して可能な限り結構改善、筋緊張緩和を行い、安易に鎮痛剤に頼らないようにする。
インシュリンの種類によって作用が異なるため、作用がピークの時に運動療法を行うと低血糖発作で倒れることがあるためインシュリンの種類と作用を確認する。
理学療法士はどうしても薬剤の知識に乏しくなってしまいがちです。
運動療法は治療の延長線上にあると考えるとなくてはならない知識ですので、敬遠せずにコツコツ勉強していきましょう!